民泊の制限とは?
現在、民泊を行うためには、以下1~3のうち、どれかの方法により行うことになります。
- 旅館業法(簡易宿所)の許可
- 国家戦略特区法(特区民泊)の認定
- 住宅宿泊事業法の届出
このうちの、【3.住宅宿泊事業法の届出】に関する、制限のお話です。
この住宅宿泊事業法の中で、条例により実施の制限をすることができる旨(※1)が定められています。各自治体が、その区域の状況に合わせて、地域・曜日・業態によって、営業できない日を設けており、その制限内容を、東京23区についてまとめてみました。
(※1)第18条(条例による住宅宿泊事業の実施の制限)都道府県(第六十八条第一項の規定により同項に規定する住宅宿泊事業等関係行政事務を処理する保健所設置市等の区域にあっては、当該保健所設置市等)は、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するため必要があるときは、合理的に必要と認められる限度において、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、区域を定めて、住宅宿泊事業を実施する期間を制限することができる。
民泊の実施制限の内容一覧(東京23区編)
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1.千代田区
家主居住・家主不在(管理者常駐)

家主不在(管理者駆け付け)

※駆け付け要件:管理者常駐場所から届け出住宅まで半径700m以内かつ10分以内
家主不在(駆け付け要件満たさない)

※人口密集地域:永田町二丁目、隼町、平河町一丁目、同二丁目、麴町一丁目、同二丁目、同三丁目、同四丁目、同五丁目、同六丁目、紀尾井町、一番町、二番町、三番町、四番町、五番町、六番町、九段南一丁目、同二丁目、同三丁目、同四丁目、九段北一丁目、同二丁目、同三丁目、同四丁目、富士見一丁目、同二丁目、飯田橋一丁目、同二丁目、同三丁目、同四丁目、一ツ橋二丁目、神田神保町一丁目、同二丁目、同三丁目、神田三崎町一丁目、同二丁目、同三丁目、西神田一丁目、同二丁目、同三丁目、神田猿楽町一丁目、同二丁目、神田駿河台一丁目、同二丁目、同三丁目、同四丁目、神田錦町一丁目、同二丁目、同三丁目、神田小川町一丁目、同二丁目、同三丁目、神田美土代町、内神田一丁目、同二丁目、同三丁目、神田司町二丁目、神田多町二丁目、神田淡路町一丁目、同二丁目、神田須田町一丁目、同二丁目、外神田一丁目、同二丁目、同三丁目、同四丁目、同五丁目、同六丁目、鍛冶町一丁目、同二丁目、神田鍛冶町三丁目、神田紺屋町、神田北乗物町、神田富山町、神田美倉町、岩本町一丁目、同二丁目、同三丁目、神田西福田町、神田東松下町、神田東紺屋町、神田岩本町、東神田一丁目、同二丁目、同三丁目、神田和泉町、神田佐久間町一丁目、同二丁目、同三丁目、同四丁目、神田平河町、神田松永町、神田花岡町、神田佐久間河岸、神田練塀町、神田相生町
2.中央区

3.港区

4.新宿区

5.文京区

6.台東区

7.墨田区
制限なし8.江東区

9.品川区

10.目黒区

11.大田区

※1)その他地域での駆け付けは、従来どおりの30分以内。
※2)都市計画法第12条の4第1項第1号に掲げる地区計画のうち、大田区平和島地区地区計画、大田区東海三丁目地区地区計画、大田区田園調布地区地区計画、田園調布多摩川台地区地区計画及び大森西七丁目地区地区計画
12.世田谷区

※ただし、住居専用地域であっても、区民の生活環境が悪化するおそれがないと区長が認める区域にあっては、制限期間を区長が相当と認める期間に変更することができる。
13.渋谷区

※【渋谷区住宅宿泊事業の適正な運営に関する条例】第7条(住宅宿泊事業の実施の制限)
4 住宅宿泊事業者のうち次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する者で、届出住宅の周辺地域の住民及び町会からの苦情等に迅速に対応できる体制が確保できると認められるものについては、前項の規定は適用しない。
(1) 届出住宅の敷地からおおむね半径100メートル以内の区域に自己の生活の本拠として使用する住宅又は住宅宿泊管理業者の営業所若しくは事務所があること。
(2) 前号に該当していることを示す地図等の書類及び緊急時における連絡先その他必要な事項を記載した届出書を区に提出していること。
(3) 住宅宿泊事業者又は住宅宿泊管理業者が、町会その他地域団体に加入していること。
(4) 住宅宿泊事業者又は住宅宿泊管理業者が、届出住宅の周辺地域の住民及び町会に対し、届出住宅の所在地その他区規則で定める事項について対面による事前周知を実施していること。
5 前項各号に規定するもののほか、苦情等に迅速に対応できる体制の確保に関し必要な事項は、区規則で定める。
【渋谷区住宅宿泊事業の適正な運営に関する規則】第6条(苦情等に迅速に対応できる体制)
条例第7条第4項各号に掲げる要件に該当する住宅宿泊事業者は、同項に規定する苦情等に迅速に対応できる体制として、次に掲げる要件を備えなければならない。
(1) 深夜早朝を問わず、宿泊者及び苦情者と連絡を取ることが可能な人員を常時確保していること。
(2) 宿泊者の行為により苦情等が発生した場合又は緊急を要する事態が発生した場合に、おおむね10分以内に現地に赴くことが可能な人員を常時確保していること。
(3) 苦情等の内容及びその対応状況について記録し、当該記録を保存していること。
14.中野区

※許可制による。
【許可の要件】
①法令上の義務を履行する能力があること。
②住宅宿泊事業の実施に関し、周辺住民の理解を得ていること。
③日本語で十分な意思疎通ができること。
④住宅宿泊事業者の住民票に記載された住所が届出住宅の所在地と同一であり、
申請日までの間に3年以上継続して当該届出住宅に居住していること。
【許可に付す条件】
①届出住宅において宿泊者との交流事業等を行うときは周辺住宅の生活環境に十分配慮すること。
②町会・自治会への情報提供、地域の自治活動への参加などにより、住宅宿泊事業に対する地域の理解が得られるよう努めること。
③宿泊者に、周辺地域の生活環境への悪影響を及ぼす迷惑行為を行わせないこと。
④その他区長が特に必要と認める事項
15.杉並区

16.豊島区
制限なし17.北区
制限なし18.荒川区

※住宅宿泊管理業者(委託する場合は、住宅宿泊管理業者)は、物件からおおむね1キロメートル以内の営業所等に常駐しなければいけない。(代替措置なし)
19.板橋区

20.練馬区

21.足立区

22.葛飾区
制限なし23.江戸川区
制限なし①表の見方について
〇:年間(4/1~3/31)を通じて、180日間実施可能
✕:実施不可
②情報は、2022年2月22日時点のものです。申請や届出の際には、最新情報の確認をお願いいたします。
③住居専用地域とは、用途地域のうちの、以下4種
第一種低層住居専用地域/第二種低層住居専用地域/第一種中高層住居専用地域/第二種中高層住居専用地域
④掲載されている情報の正確性には万全を期しておりますが、当事務所は利用者が情報を用いて行う一切の行為について、なんら責任を負うものではありません。
制限区域のある区なら…
東京23区それぞれの区で、住居専用地域では平日に営業できないと条例で定められている区もあり、民泊を考える場合には、とても重要なポイントとなります。
建物の設備の不足などは(費用はかかりますが)、対策を考えることができますが、この制限区域に該当するか否かは、法律または条例が変わらない限り、その適用を受けざるをえないからです。
住居専用地域とは
都市計画法第8条第1項で定義された地域の区分のうち、”住居専用地域”がついている、下記一覧の1~4までを総じて表記しております。
例えば、【第一種低層住居専用地域は、低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域】とされており、建築基準法による用途制限で、建築できる建物は、住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、兼用住宅(諸制限あり)、幼稚園、保育所、小・中・高等学校、図書館、一般浴場、老人ホームなどで、店舗や事務所の建築は認められていません。
原則、高い建物や騒音を出すような用途の建物は建築できません。そのような静かな住環境を守るために、民泊の営業を制限している区が多くなっています。
※都市計画法とは、「都市の健全な発展と秩序ある整備」を図ることにより、「国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与する」ことを目的として定められております。
用途地域一覧
- 第一種低層住居専用地域
- 第二種低層住居専用地域
- 第一種中高層住居専用地域
- 第二種中高層住居専用地域
- 第一種住居地域
- 第二種住居地域
- 準住居地域
- 田園住居地域
- 近隣商業地域
- 商業地域
- 準工業地域
- 工業地域
- 工業専用地域
文教地区とは
教育施設が多く集まっている地区で。主に学校・図書館・博物館などの施設が集まっている地域を指します。 都市計画法第9条第14項に規定する特別用途地区で定義され、各自治体の条例で規制内容が定められております。
用途地域・特別用途地区の調べ方
各市区町村のサイトで検索できます。
(例)〇〇区 用途地域